――“弟子入り”は、皿洗いからが当たり前。
陶芸家の世界は、他のどんな職種よりも「時間がかかる」仕事かもしれません。
大学を卒業して「陶芸を志します!」といっても、いきなりロクロを回させてもらえるわけではありません。
多くの場合、まず任されるのは以下のような仕事です:
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粘土の準備(土練り)
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窯の掃除
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釉薬の撹拌
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作品の削りや磨き
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梱包・発送・展示会の準備
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窯焚き時の薪割りや火の番
つまり、「職人の手を止めないための裏方」からスタートするのが基本。
「自分の作品を作る」のは、その先にある話で、数年かかることも珍しくありません。
けれどそのプロセスの中で、「土の声を聞く感覚」や「焼きのタイミング」「釉薬の微妙な調合」など、教科書にない技術が身体に染み込んでいく。
まさに“見て盗め、体で覚えろ”の世界です。
一方で、若い世代だからこそ重宝される仕事もあります。
たとえばSNS発信やWebでの展示会案内、予約受付など、**「職人は苦手だけど必要なこと」**を任される場面も増えてきました。
「任される」より「拾いに行く」感覚で動ける人にこそ、陶芸の世界は向いています。