“調整役”というより“ファシリテーター”。現場と経営のギャップを埋める、板挟み職種。
原価企画職は、製造業のなかでも**「経営視点」と「現場視点」を両方持つことが求められる職種**です。
それがどれほど難しいことか――現場に入って初めて痛感するはず。
📍現場の実態①:すぐに“答え”が出ない
部品1個のコストが数円違うだけで、年単位で見ると何千万円も影響する世界。
でも、その「数円の根拠」を導くには、設計・購買・製造・営業の全チームとやり取りが必要です。
→ とにかく時間がかかる。
→ 誰かの利害とぶつかる。
→ でも答えを出さないと、次のステップが止まる。
スピードと根拠のバランスをどう取るかが、リアルな葛藤です。
📍現場の実態②:「いいモノを作りたい」との衝突
設計は「品質第一」、営業は「納期と価格」、製造は「生産性」…
それぞれの正義がぶつかる中、原価企画は“最適解”を見つけ出さなければいけない存在。
「これではコストが合いません」
「その設計だと利益が出ません」
…と、あえて嫌われ役になる覚悟も求められます。
📍現場の実態③:若手でも“経営層の目線”を持たされる
他部署が数年かけて積み上げる判断を、原価企画は若手から俯瞰して見るチャンスがあります。
その分、上司や役員からの質問は鋭い。
「なぜこの価格で成立すると言える?」
「競合と比較して妥当か?」
→「知りません」では済まない世界。
原価企画は“社内の調整役”なんて言葉では表現しきれない、現場と経営の間で戦うプレイヤーです。