「機械に代替される?」それでも、無くならない理由がある。
■実験は“人が考える工程”が含まれている
AIやロボット技術の進化で、「ルーティン実験は自動化される」と言われています。
確かに、サンプリングや測定などは自動化が進み、
人の手を使わずにできる工程も増えています。
しかし、実験職の本質はそこにありません。
「何を検証すべきか」「どこに異常があるか」
といった仮説立てと判断こそが、人間の仕事です。
■実験職の“価値”は、観察力と想像力
たとえば、ある製品に不具合が出たとき、
「現場では異常なし、だけどお客様からクレームが出ている」──
こういうとき、実験職が中心となって原因を調べます。
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どの条件下で異常が出るか?
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繰り返し実験して、どの変数が影響しているか?
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再発防止策は?
数値の裏にある“現象”を読み取る力。
これは、データを出すだけのロボットにはできません。
■研究開発・品質保証・分析などへのキャリア拡張も
また、実験職として経験を積むと、
以下のような職種へのステップアップも可能です:
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研究職(研究開発):新しい製品の基礎検討に関わる
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品質保証職:製品の安定性やクレーム対応
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分析技術職:測定手法の確立やトラブル解析
つまり、「実験ができる人材」は、今後も求められ続けるということ。
“正確に試す”だけでなく、“考えて試す”。
その力を持った実験職は、これからも重宝される。