「若手が成長できる会社です」
「裁量を持って仕事ができます」
――よく見るフレーズ。でも、ちょっと待って。
“成長できる会社”と“成長しなきゃいけない会社”は、まったくの別物だ。
前者は、先輩や上司のサポートがあり、段階的に育ててくれる環境。失敗も受け止めてくれる余白がある。一方で後者は、若手に過剰な負荷や責任を早期に与え、「成長」という言葉で正当化する。
実際、若手がすぐ辞める会社ほど、「ここで成長しようと思いました」という入社理由が多い。“成長”が、自分の意思ではなく「しなきゃいけない空気」になっているからだ。
「入ったばかりの自分が、会社の売上を背負ってる」
「毎日、朝から深夜まで必死。でも、それが普通らしい」
そんな環境で、心がすり減る若手を何人も見てきた。
就活では、“成長”という言葉に飛びつかない目を持ってほしい。
その会社の離職率は?研修制度は?一人あたりの担当案件数は?
「成長機会」が、本当に“育ててもらえる土壌”なのか見極める目が必要だ。
自分のペースで着実に育つほうが、長い目で見ればよっぽど“成長”になる。