「うちは大卒しか採らない」――昔はこれが当たり前だった。
でも今、企業を回っていると逆の声が聞こえてくる。
「大卒じゃなくてもいい」
「むしろ第二新卒の方がいい」
なぜか? 理由はシンプルだ。
新卒大卒がすぐに辞めてしまうからだ。
「思っていた条件と違った」
「この上司とは合わない」
「なんとなくモチベが下がった」
こうした理由で、あっという間に退職や休職。昨日まで普通に働いていた人が、急に診断書を持って休むこともある。大卒だから安心――そんな幻想は、企業側からすでに消えている。
一方で、第二新卒は、3年以内に離職したとはいえ、一度社会に出ている分だけ基礎体力や耐性がある。企業にとっては、ゼロから育てる大卒よりも“戦力化が早い”と感じるのだ。
もちろん、すべての大卒が期待されていないわけではない。だが「大卒=価値がある」と思い込んでいると、現実とのギャップに打ちのめされる。ブランドはもう保証書にならない。
大事なのは、肩書きではなく「自分に何ができるか」を示すこと。
スキルや姿勢で「大卒である以上の意味」を見せられる学生だけが選ばれる時代になっている。
「大卒だから有利」なんて過去の話。
これからは「大卒でも即戦力になれないなら要らない」と言われる時代だ。