〜「経営企画」は、新卒で就ける職種じゃない〜
1. この職種って何をする仕事?
経営企画は、会社の“将来”をつくる仕事。
売上や利益をどう伸ばすか、何の事業に投資するか、リスクをどう減らすか――。
中長期の事業戦略を立て、経営層とともに意思決定をサポートするのが役割です。
決算データ、競合分析、業界動向、現場ヒアリング…あらゆる情報を元に「次に何をすべきか」を考える。経営の“脳”とも言える職種です。
2. よくある誤解
「企画」=「アイデアを出す」「何か新しいことをやる」
そんなイメージで、軽いノリで“経営企画をやりたい”と言う学生も多い。
でも実際は、
・細かい数字と資料を読みこなす力
・現場や他部署との地道な調整力
・経営層と対等に話せる論理構成力
が求められる、ハードな“インテリ職”です。
3. 向いてる人・向いてない人
向いてる人
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物事を構造で考えられる人
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定量データに強い人(数字からストーリーを描ける)
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主張に根拠を持てる人(論理の詰めが甘くない)
向いてない人
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「やりたいこと」だけで突っ走るタイプ
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抽象的な話に飽きやすい人
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細かい資料作成が苦手な人
4. 現場のリアル
華やかな会議室にいる時間より、Excelとにらめっこしている時間の方が長い。
上層部の指示に翻弄されたり、現場との温度差に悩んだりもする。
“経営”という名がつくが、地味な作業が9割。でもその1割が、会社の方向を左右する重みがある。
5. 若手が任される仕事
新卒でいきなり経営企画に配属されることは、まずありません。
まずは現場(営業・財務・マーケなど)で経験を積み、
社内のビジネス構造を理解した人が“抜擢”されるのが通常ルート。
若手で関わるとしたら、経営会議の議事録、資料作成、定例報告資料の取りまとめなど、補佐的な役割から入ります。
6. この職種の将来性
経営企画は、企業の成長に不可欠な存在。
特に変化の激しい現代では、“経営判断の質”が生き残りを左右します。
事業戦略・DX・M&Aなど、会社の大きな方向転換に関われる点で、今後も高需要。
7. よく使う専門用語・知識
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KPI/KGI(重要業績評価指標)
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ROE/ROA(財務指標)
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P/L・B/S(損益計算書・貸借対照表)
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事業ポートフォリオ(成長率と利益のマトリクス分析)
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M&A・PMI(買収と統合作業)
8. この仕事を目指すなら学生時代に何をすべきか
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会計・財務の基礎を学ぶ(簿記2級・財務諸表を読めると◎)
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戦略コンサルや外資インターンなどで“企画脳”を鍛える
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「現場を知らないと絵に描いた餅になる」と理解しておく
9. キャリアチェンジ可能性(どこに繋がる?)
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経営企画 → 事業責任者、管理職、経営層(CxO)
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M&Aを経験した人は、PEファンドや投資銀行へ進むケースもあり
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独立して起業する人も
10. 学生が持つべき視点
「経営企画にいきたい」は、最初の一歩じゃなく“最終地点”。
人気職だが、目指すならまずは「現場」を経験しよう。
営業で数字をつくる力、財務で利益構造を理解する力、マーケで市場を見る力――
そのすべてが、“本物の経営企画”に必要な土台になる。