〜Excelが得意でも、経営は動かせない〜
1. この職種って何をする仕事?
経営企画の本質は、「数字を使って、会社をどう動かすか」を考えること。
売上や利益の推移、部門別コスト、投資対効果などの数値を分析し、
経営層に「何が問題で、どう対処すべきか」を伝える。
単なる“数値の分析屋”ではなく、“経営に翻訳する人”なのだ。
2. よくある誤解
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「Excelが得意なら経営企画に向いてる」は誤解
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グラフや集計だけでは、経営層は動かない
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経営者が使う“言語”に翻訳し、提案する力が必要
3. 向いてる人・向いてない人
向いてる人
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数字を「意味あるストーリー」に変換できる人
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ロジカルかつ、簡潔に説明できる人
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相手に応じた伝え方を工夫できる人
向いてない人
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「分析したから分かってもらえる」と思っている人
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数字ばかり見て、現場感を持たない人
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相手に合わせた伝え方ができない人
4. 現場のリアル
経営企画は「数字を扱う人」でありつつ、「感情にも配慮する人」。
利益が出ていない部門に改善を求めるとき、
正論だけでは現場を動かせない。数字を見せつつも、納得感をつくる工夫が求められる。
5. 若手が任される仕事
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経営会議用の分析レポート作成
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各部門のKPI進捗報告の取りまとめ
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データ集計と要点整理(経営層用に再構成)
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経営会議で使う「1枚資料」作り
「結局、何が言いたいの?」に答える力が問われる。
6. この職種の将来性
“データドリブン”な意思決定が加速する今、
経営企画の存在価値はさらに高まっている。
数字を読み解くだけでなく、「どう伝え、どう動かすか」ができる人材は重宝される。
7. よく使う専門用語・知識
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ROE/ROA
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損益計算書(P/L)・貸借対照表(B/S)
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変動費・固定費・限界利益
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KPI/KGI/OKR
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IR資料・統合報告書
8. この仕事を目指すなら学生時代に何をすべきか
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簿記や財務会計の基礎を学ぶ
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プレゼン大会や模擬起業などで「数値×伝え方」を磨く
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難しい話を“誰にでもわかる言葉で説明する”練習をする
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社会人と話す機会(OB訪問や勉強会)で経営視点に触れる
9. キャリアチェンジ可能性(どこに繋がる?)
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CFO補佐・経営管理部門
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M&Aや資本政策の専門職
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データアナリスト→経営企画という逆パターンもあり
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海外赴任やグループ会社への出向もありえる
10. 学生が持つべき視点
「数字に強い」は“前提”。その先が勝負。
経営企画で評価されるのは、分析スキルではない。
「その数字が意味することを、経営的に語れるか」。
そして「相手を動かす言葉に変換できるか」。
この“翻訳力”こそが、経営企画の要なのだ。