1. この職種って何をする仕事?
購買の本質は、「会社の資金をどう使うかを決める仕事」。
でもその全容をいきなり任せてもらえるわけではありません。
若手のうちは、見積の整理や納期確認など、“一見地味な業務”が中心。
ただし、それらはすべて、購買という仕事の“設計図”を理解するための準備作業です。
2. よくある誤解
「見積もらって表にまとめるだけ」「納期フォローだけ」――
若手時代の仕事は、たしかに単調に感じるかもしれません。
でもそれ、**「購買の思考回路をインストールするトレーニング」**なんです。
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なんでこの見積は高いのか?
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なぜ納期が遅れそうなのか?
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このサプライヤーはどんな特性があるのか?
…と、“表に出ない情報”に気づき、考える癖をつけるのが若手の使命です。
3. 向いてる人・向いてない人
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向いてる人:自分の作業の“意味”を考える人、地道な分析が好きな人
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向いてない人:「誰かが決めたことを処理するだけ」と割り切ってしまう人
4. 現場のリアル
若手が担当するエクセル表1枚。
でもその中身は、部品の相場・サプライヤーの実力・工場のリスクを見抜く材料の宝庫。
「この表を、単なる報告書にするか、“判断の武器”に変えるか」は、本人次第。
ベテランが頼りにする若手は、実は“目立たない分析”が抜群にうまい人です。
5. 若手が任される仕事
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見積比較表の作成(価格・納期・条件)
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納期管理表の更新と遅延フォロー
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社内会議資料の作成(提案に使われる)
どれもルーティンに見えて、購買全体の“目と耳”になる大事な役割です。
6. この職種の将来性
購買の上流工程(サプライヤー選定・原価企画など)を担うには、まず“基礎体力”が必要。
だからこそ、若手の地道な経験が将来の“打ち手の引き出し”を増やす鍵になります。
7. よく使う専門用語・知識
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見積比較表(見比表):複数の取引先の見積を横並びで比較した資料
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進捗管理表:発注〜納品までのスケジュールと状況を一覧にした管理ツール
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異常納期:納期の著しい遅れ。フォローが必要
8. 学生時代にやっておくと良いこと
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データを整え、見やすくまとめる練習(Excel・レポート作成など)
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なぜその数字になったのか?を“理由付き”で考える習慣
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一見地味な作業の中に、意味や構造を見つけ出す視点
9. キャリアチェンジ可能性
若手時代に購買の“構造”を理解しておくと、他職種(営業・企画・経理など)に移っても「モノとカネの流れ」が見える人材として重宝されます。
地味な仕事を丁寧にこなせる人ほど、中堅以降で化けるのが購買職です。
10. 学生が持つべき視点
「どうせ雑用だし」なんて思ってたら、成長は止まる。
購買の基礎力は、“地味な作業”の中に眠ってる。
見積表の裏にある「コストの背景」まで読み取れるようになったら、もう一人前です。