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購買⑥:「“買うだけの仕事”はもう古い。購買は“経営の目”を持つ仕事へ進化している。」

職種紹介

1. この職種って何をする仕事?

購買職は今、単なる「仕入れ担当」から「経営を支える存在」へと進化しています。
従来はコストを抑えることが最大の使命でしたが、今はそれだけでは不十分。
サステナビリティ・BCP(供給リスク)・グローバル調達・ESG対応――
購買が見なければいけない“視点”が一気に広がっています。


2. よくある誤解

「AIやデジタルで代替されそうな仕事でしょ?」
――たしかにルーティン部分は自動化されつつあります。
でも、購買の“本質”である判断・交渉・戦略立案は、人間にしかできない領域です。

たとえば、

  • 世界的な半導体不足で、どの業者と契約を継続すべきか?

  • 為替変動でコストが跳ね上がったとき、どう立ち回るか?

  • サプライヤーの災害リスクにどう備えるか?

これはすべて、“戦略購買”の領域。AIではなく、経営目線を持った人間の仕事です。


3. 向いてる人・向いてない人

  • 向いてる人:変化を楽しめる人、全体を俯瞰して考えられる人

  • 向いてない人:安定したルーチンだけを好む人、変化を嫌う人


4. 現場のリアル

脱炭素時代には「この素材、環境負荷はどうか?」という観点が加わり、
サプライチェーンの一部が停止すれば、生産全体が止まる時代。
そのとき購買は、「誰から」「どこで」「どう買うか」を問われる最後の砦です。

購買職は今、“経営の一翼”を担う意思決定者になりつつあります。


5. 若手が任される仕事

  • サステナブル調達の調査・レポート

  • 海外調達案件のリサーチ補佐

  • 新規取引先評価の一次スクリーニング

“買う”だけでなく、“調べて戦略を考える”段階から関わる機会が増えています。


6. この職種の将来性

間違いなく高い。
なぜなら、グローバル化×ESG×リスク管理という複雑な課題が絡む中で、購買の出番がどんどん増えているから。
「会社を支えるコストのプロ」から、「未来を見据える戦略人材」へ。
購買職は“進化を続ける仕事”です。


7. よく使う専門用語・知識

  • 戦略購買(Strategic Sourcing):中長期視点で最適な調達先を設計

  • LCC調達:Low Cost Country(低コスト国)での海外仕入れ

  • ESG調達:環境・社会・ガバナンスを意識したサステナブル調達

  • BCP調達:災害・戦争・供給停止などの緊急時対応を見据えた調達戦略


8. 学生時代にやっておくと良いこと

  • 経済・国際情勢のニュースを追う(原材料・物流・為替など)

  • ESGやサプライチェーン問題に関する本を読んでみる

  • SDGs・国際貿易・商社のビジネスモデルを研究してみる


9. キャリアチェンジ可能性

購買職を経験した人は、経営企画・グローバル戦略・事業開発などへの転身もしやすい。
特に「購買×英語」「購買×デジタル」に強い人材は、今後どの業界でも引く手あまたです。


10. 学生が持つべき視点

購買は、“コストカッター”ではない。
これからの購買は、“経営の通訳者”であり、“未来を選ぶ人”になる。
「どう安く買うか」から、「誰と、どんな未来をつくるか」へ。
購買の未来は、意外と熱い。

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