1. この職種って何をする仕事?
購買職は今、単なる「仕入れ担当」から「経営を支える存在」へと進化しています。
従来はコストを抑えることが最大の使命でしたが、今はそれだけでは不十分。
サステナビリティ・BCP(供給リスク)・グローバル調達・ESG対応――
購買が見なければいけない“視点”が一気に広がっています。
2. よくある誤解
「AIやデジタルで代替されそうな仕事でしょ?」
――たしかにルーティン部分は自動化されつつあります。
でも、購買の“本質”である判断・交渉・戦略立案は、人間にしかできない領域です。
たとえば、
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世界的な半導体不足で、どの業者と契約を継続すべきか?
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為替変動でコストが跳ね上がったとき、どう立ち回るか?
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サプライヤーの災害リスクにどう備えるか?
これはすべて、“戦略購買”の領域。AIではなく、経営目線を持った人間の仕事です。
3. 向いてる人・向いてない人
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向いてる人:変化を楽しめる人、全体を俯瞰して考えられる人
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向いてない人:安定したルーチンだけを好む人、変化を嫌う人
4. 現場のリアル
脱炭素時代には「この素材、環境負荷はどうか?」という観点が加わり、
サプライチェーンの一部が停止すれば、生産全体が止まる時代。
そのとき購買は、「誰から」「どこで」「どう買うか」を問われる最後の砦です。
購買職は今、“経営の一翼”を担う意思決定者になりつつあります。
5. 若手が任される仕事
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サステナブル調達の調査・レポート
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海外調達案件のリサーチ補佐
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新規取引先評価の一次スクリーニング
“買う”だけでなく、“調べて戦略を考える”段階から関わる機会が増えています。
6. この職種の将来性
間違いなく高い。
なぜなら、グローバル化×ESG×リスク管理という複雑な課題が絡む中で、購買の出番がどんどん増えているから。
「会社を支えるコストのプロ」から、「未来を見据える戦略人材」へ。
購買職は“進化を続ける仕事”です。
7. よく使う専門用語・知識
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戦略購買(Strategic Sourcing):中長期視点で最適な調達先を設計
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LCC調達:Low Cost Country(低コスト国)での海外仕入れ
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ESG調達:環境・社会・ガバナンスを意識したサステナブル調達
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BCP調達:災害・戦争・供給停止などの緊急時対応を見据えた調達戦略
8. 学生時代にやっておくと良いこと
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経済・国際情勢のニュースを追う(原材料・物流・為替など)
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ESGやサプライチェーン問題に関する本を読んでみる
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SDGs・国際貿易・商社のビジネスモデルを研究してみる
9. キャリアチェンジ可能性
購買職を経験した人は、経営企画・グローバル戦略・事業開発などへの転身もしやすい。
特に「購買×英語」「購買×デジタル」に強い人材は、今後どの業界でも引く手あまたです。
10. 学生が持つべき視点
購買は、“コストカッター”ではない。
これからの購買は、“経営の通訳者”であり、“未来を選ぶ人”になる。
「どう安く買うか」から、「誰と、どんな未来をつくるか」へ。
購買の未来は、意外と熱い。