1. この職種って何をする仕事?
購買職は、ただ“発注する人”ではなく、ビジネスを数字と仕組みで捉えるプロフェッショナル。
だからこそ、使われる用語やツールも、めちゃくちゃ実務的で、かつ戦略的です。
今回は、購買職でよく使う用語をピックアップし、どんな場面でどう使うのかを紹介します。
2. よくある誤解
「専門用語って、横文字だらけでとっつきにくい…」
――わかります。でも、これって「業界のかっこつけ」じゃありません。
購買職では、“短く・正確に伝える”ための共通言語として用語がある。
逆に言うと、これらを理解してないと、「話にならない」と思われる世界です。
3. 向いてる人・向いてない人
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向いてる人:仕組み化が好きな人、数字やプロセスを図解できる人
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向いてない人:感覚やフィーリングで物事を進めがちな人
4. 現場のリアル:よく使う専門用語・知識(解説つき)
■ RFQ(Request for Quotation)
→ 複数のサプライヤーに「見積ください」と依頼すること。
現場会話例:「先に3社にRFQ回して相場感見ましょう。」
■ CBD(Cost Breakdown)
→ 部品やサービスの原価内訳。「なぜこの価格か?」を見抜く資料。
現場会話例:「この部品、CBD出してもらえますか?アルミ価格いくらで計算してます?」
■ TCO(Total Cost of Ownership)
→ 価格だけでなく、保守・運用・廃棄まで含めた“総コスト”のこと。
現場会話例:「TCOで見ると、ちょっと高くてもA社のほうが得じゃない?」
■ BCP(Business Continuity Plan)
→ サプライヤーがトラブったとき、どうリスク回避するかの事前策。
現場会話例:「こことの取引、BCPないのはちょっと怖いですね。」
■ NDA(Non-Disclosure Agreement/秘密保持契約)
→ 取引前に交わす「ウチの情報漏らさないでね」契約。
■ サプライヤー評価(Vendor Evaluation)
→ 品質・納期・コスト・対応力などで取引先を点数化する仕組み。
■ VAVE(Value Analysis / Value Engineering)
→ 価値を落とさず、コストを削る改善活動。
現場会話例:「設計とVAVE打合せして、この部品の材質見直そう。」
5. 若手が最初に覚えるべきもの
まずは「RFQ」「CBD」「サプライヤー評価」あたりを理解し、
「どうしてこの値段になるのか?」を考えるクセを身につけることが大切です。
6. この職種の将来性との関係
こうした用語は、将来「戦略購買」や「グローバル調達」に進むときの基礎になります。
用語を知る → 思考が深まる → 立場が上がるという流れが、購買職ではリアルにあります。
7. 学生時代にやっておくと良いこと
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経済・業界記事を読み、ビジネス用語に慣れる
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実際の商社・メーカーの調達資料を読んでみる
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自分で「コスト構造を分解」してみる(旅行費用、サークルイベントなど何でもOK)
8. キャリアチェンジ可能性
これらの用語に強くなると、営業・企画・経理など他部門と対等に話せるようになる。
“購買目線”を持った人材は、どんな部署でも重宝される存在になります。
9. 学生が持つべき視点
横文字にビビるな。
購買用語は、全部“考える型”なんだ。
覚えるだけじゃなく、「なぜこの言葉があるのか?」まで考えられたとき、
あなたの思考はもう、実務レベルに入ってる。