SE職って、何をする仕事?
SE(システムエンジニア)は、ただの“プログラマー”じゃない。
よく学生から「SE=プログラミングをする人」というイメージを聞きますが、それは全体の一部でしかありません。実際のSEの仕事は、以下のように“上流から下流”まで多段階にわたります。
■ SEの業務フロー
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要件定義(上流)
…「お客様は何を求めているのか?」をヒアリングし、必要なシステムの機能や構成を決める。ここがズレると、すべてが崩れます。 -
基本設計/詳細設計
…要件に基づいて、実際にどんな構成・機能にするかを設計。プログラマーがコードを書けるように図面を描く役割。 -
開発(プログラミング)
…設計に基づき、プログラムを書いて動くようにする。ここだけが「プログラミング」。 -
テスト
…正しく動作するか、バグがないかを徹底的に検証するフェーズ。 -
保守・運用(下流)
…導入後のトラブル対応、定期メンテナンス、バージョンアップ、改善提案など。地味だけど超重要。
■ SI企業の中の役割分担も要チェック
たとえば、あなたが入社するSIer(システムインテグレーター)が「上流工程(要件定義・設計)をやっている企業」なのか、「下流工程(運用・保守)専門のグループ会社」なのかで、配属される業務は全く変わります。
筆者が以前所属していた**CTCテクノロジー(伊藤忠テクノソリューションズグループ)**では、主に保守・運用に特化した企業。いわば、“システムが止まらないように守る側”。
「IT業界」とひとくちに言っても、立ち位置や業務はかなり違う。志望するなら、企業の“ポジション”を見極める目が必要です。
■ よくある学生の誤解
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「IT業界は給料が高いらしいから…」
→目的が“金”だけだと、最初の研修でプログラムに挫折するパターン、実は多いです。
コードに拒否反応が出て「やっぱ無理」と辞めてしまう人、少なくありません。 -
「将来性があるから…」
→確かに伸びてる業界ですが、“自分が興味ないことをずっと学び続ける覚悟”はありますか?
■ 社内SEとの違いも知ってほしい
SEは、顧客のためにシステムをつくる外部支援者。
一方で社内SEは、自社のためにITインフラや業務システムを整える内側の技術者です。
どちらが“楽”かではなく、どちらが自分に向いているかを考えるのが大事。
「人と関わるのが好き」「説明や調整が得意」「コードより課題整理が好き」なら、社内SEの方が活躍できる可能性も。
▼まとめ
SEの仕事は、ただコードを書く人じゃない。
設計し、提案し、作り、守る“技術×ビジネス”の交差点にいる職種です。
「IT系=かっこいい」「給料高そう」そんなイメージで入ると、現場の泥臭さにギャップを感じるかもしれません。
だからこそ、“興味”と“覚悟”を持って飛び込めるかが、この職種では問われます。