――魚を獲る。それだけじゃない、“命の源”を支える仕事。
漁師の仕事。それはシンプルに言えば「魚を獲ること」。
けれど、実際の現場はそんなに単純じゃない。
毎日が自然との戦いで、天気、潮、風、そして魚の“気まぐれ”と向き合う。自分の意思でどうにもならないものばかりを相手に、「今日はどこに出るか」「何を狙うか」「いつ引き上げるか」を判断する。そこに“経験”と“勘”が問われる。
仕事の流れは、早朝出港 → 漁 → 帰港 → 水揚げ・仕分け → 競り or 加工。
中には自分たちで加工・販売まで手がける“6次産業型”の漁師も増えてきている。
ただ魚を獲って終わりじゃない。獲れた魚の価値をどう高め、どう売るかまで考える必要がある。
そして実は、魚を獲れない日もある。
時化(しけ)で海に出られない日もある。
それでも船のメンテナンスや道具の整備、次の準備は休まず続く。海が休みでも、漁師には休みがない。
「誰かがやってくれている」その“誰か”が減っている。
今、日本の漁業は深刻な後継者不足に直面している。高齢化と共に、漁師の数は年々減少。
このままでは、私たちの食卓から“あたりまえ”に魚が消える日が来るかもしれない。
だからこそ、今こそ知ってほしい。
漁師という仕事は、過酷で、汚れて、早起きで、儲からないかもしれない。
でも、その分“生きてる実感”がある。命を扱い、人と自然の間で生きる。
都会のオフィスでは味わえない、リアルな働き方がここにはある。