――「ウネリ」も「潮目」も、命に関わるリアルワード。
漁師の世界では、自然との対話が最重要スキル。
つまり「海の言葉」を知らなければ、仕事にならない。
ここでは、漁師が日常的に使うリアルな専門用語を紹介します。
◆ 潮目(しおめ)
海水の流れがぶつかり合う場所。
プランクトンが集まりやすく、魚が群れる“狙い目”ポイント。ベテラン漁師は海面を見ただけで潮目を読む。
◆ ウネリ
遠くの風や台風などで発生する、周期の長い大きな波。
天気が良くてもウネリがあると出航できないこともある。
「今日はウネリがあるから中止」=命を守る判断。
◆ 親潮・黒潮
日本近海を流れる寒流(親潮)と暖流(黒潮)。
魚の回遊ルートや漁期に大きく関係する、超基本知識。
これを理解せずに「いつ・どこで・何を」獲るかは語れない。
◆ 定置網・底引き網・一本釣り
漁法によって必要な船・装備・体力が全く異なる。
たとえば定置網漁ならチームプレー&早朝作業、一本釣りなら腕力&繊細さが求められる。
◆ 荷揚げ・仲買・競り
獲った魚をどう売るかの流れ。
荷揚げ → 仲買人が買い付け → 市場で競り
最近ではこの流れをカットして漁師自らEC販売するケースも増加中。
◆ 沖(おき)・浜(はま)
「沖に出る」=海の深い場所へ漁に出ること。
「浜に戻る」=陸地・港へ戻ること。
漁師の会話には方言と専門語が融合した独特のリズムがある。
これらはほんの一部。
自然、魚、流通、気象…漁師は“体で覚える知識”がとにかく多い。
でも、その積み重ねが“海を読む力”になる。
マニュアル化できない勘と経験の世界。
そこに、漁師という職の奥深さがある。