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経営企画⑧:経営層と現場の“板挟み”。それでも経営企画が求められる理由。

職種紹介

〜両者の論理を“翻訳”する存在〜


1. この職種って何をする仕事?

経営企画の仕事は、**“会社の舵取り”**に関わること。
経営層のビジョンや方向性を理解し、それを現場が実行できる形に落とし込む。
逆に、現場の課題や声を、経営層に届くよう整理・提案することもある。

つまり、「上からの理想」と「現場のリアル」の間で、
両者をつなぐ“翻訳者”のような存在になるのが経営企画の本質。


2. よくある誤解

  • 「経営層の右腕的な存在」だけではない
    → 経営企画は、現場からの突き上げにも応える必要がある。

  • 「権限があるから推進できる」
    → 現場の信頼がなければ、何も進まない。権限より“説得力”。


3. 向いてる人・向いてない人

向いてる人

  • 相手の立場に立って考えられる

  • 論理と感情のバランスがとれる

  • 折衷案や中庸的な判断が得意

向いてない人

  • 経営層か現場、どちらかに偏りがち

  • 「正論」で押し通してしまうタイプ

  • 話をまとめるのが苦手な人


4. 現場のリアル

経営層は「コスト削減」と言う。現場は「これ以上減らせない」と言う。
その両方を理解し、「どの部分なら削減可能か」「効果的な代替策はあるか」など、
現実解を提示できるかどうかが問われる。

時には、どちらにも嫌われることもある。
でも、それでも「経営企画がいないと、前に進まない」と思わせるのがプロ。


5. 若手が任される仕事

  • 経営方針の資料作成(ビジョンやKPIの整理)

  • 部門間調整に必要な情報収集や整理

  • 経営層と現場のミーティング準備・議事録作成

  • 各部署との折衝に同席してフォローアップ


6. この職種の将来性

「調整力」と「論理性」の両方が必要な経営企画は、AIでは代替されにくいポジション
組織規模が大きくなるほど、必要とされる。
特に、企業が変革期や成長期にあるときは、経営企画が要。


7. よく使う専門用語・知識

  • ステークホルダー/利害関係者

  • トレードオフ

  • マトリクス組織/縦割り構造

  • 中期経営計画(中計)

  • 合意形成・根回し


8. この仕事を目指すなら学生時代に何をすべきか

  • チーム活動(サークル・ゼミなど)で、調整役を経験しておく

  • 相手の意見を聞いた上で、自分の意見を述べる練習をする

  • ケーススタディなどで、現実的な落とし所を考える力を養う


9. キャリアチェンジ可能性(どこに繋がる?)

  • 経営層(将来的にはCxOへの登用も)

  • 組織開発/事業企画/全社プロジェクト推進

  • コンサル業界にもスムーズに移行可能


10. 学生が持つべき視点

“どちらの味方”にもなりすぎない冷静さと、全体視点を持つこと。

経営企画は“板挟み”という言葉では表現しきれないくらい、
現場にも、経営にも、真摯に向き合う必要がある。
でもその分、企業の根幹に近いところで、ダイナミックに動ける仕事だ。

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