1. この職種って何をする仕事?
品質保証(QA)・品質管理(QC)は、製品の「当たり前の品質」を守る仕事。
つまり、お客様が製品を使って**「不良がない」「壊れない」「期待通りに動く」**と“何も思わない”状態を実現することが仕事です。
だからこそ、品質職の理想は**「何も起こらないこと」**。
この仕事の“成果”とは、トラブルが起きなかったという“ゼロ”なのです。
2. よくある誤解
「品質職って、不良品をチェックするだけでしょ?」
→まったくの誤解です。
チェックはあくまで一部。
品質保証の本質は、不良が出ない仕組みをつくることです。
工程の改善、設計変更の承認、サプライヤー監査、クレームの分析と対策立案――
“未然防止のプロ”が品質保証。
“発生した不良への分析対応”が品質管理です。
3. 向いてる人・向いてない人
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向いてる人:違和感に敏感な人、慎重で論理的な人、信頼を積み重ねることにやりがいを感じる人
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向いてない人:目に見える成果や数字にこだわりすぎる人、些細なミスを見逃しがちな人
4. 現場のリアル
品質保証の成果が表に出るのは、“ミスが起きたとき”。
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クレーム1件が数億円の損害に
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サプライヤーの不備でリコールが発生
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海外からの返品対応で徹夜続き…
そのとき初めて、会社が品質保証の存在に気づく。
“何もない”を守り続ける裏側には、極限まで緊張感を張った現場があるんです。
5. 若手が任される仕事
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不良品データの集計と傾向分析
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品質会議の資料作成・議事録
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サプライヤーや現場への是正措置の伝達と確認
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「なぜ起きたか?」を図解・言語化して報告書にまとめる
6. この職種の将来性
品質保証は、SDGs・ESG・国際認証(ISO等)など、社会的責任と直結する仕事へ進化中。
“単なるミス防止”から、“企業の信頼を守る広報的役割”へと存在感が増しています。
7. 学生が持つべき視点
品質保証は、派手さも数字の成果も少ない。
でもその代わり、「何も起こらないこと」を支える最後の砦。
華やかなプレイヤーじゃない。
でも現場からも経営層からも、最終的に頼られるのが品質の人。
“信頼”を守る仕事って、実は一番プロフェッショナルなんです。